2013年03月19日
「究極のお伊勢参り」講座に参加して、渋谷区の観光行政を考える
三重県が「伊勢の魅力発信講座」という事業を行うと聞き、参加してみました。
株式会社umariさんが事務局を務める「究極のお伊勢参り」講座です。
究極…
参加してみた感想としては「まさに究極!」でしたよ。
期待にこたえるものでした。
この講座は4回の座学と1回のフィールドワークで成り立っています。
・伊勢神宮と歴史:古事記から明治維新まで、伊勢神宮をめぐる歴史について
・伊勢神宮と出雲大社:比較を通じて伊勢神宮を学ぶ
・常若の聖地伊勢神宮:伊勢神宮で行われる祭祀と遷宮について学ぶ
・日本の神話と伊勢神宮:古事記に記された神話から伊勢神宮を学ぶ
と、さまざまな角度から伊勢の神宮について座学で学びます。これがとても面白かった。
日本の成り立ちそのものを考え直すよい機会となりました。
【1日目】
そして待ちに待ったフィールドワーク。
集合時間の30分前に到着。当然ですが事前に自主的にフィールドワークをするわけですね。
今回は伊勢うどんを食べてみました。うむ、新しい味。
ということで、正規の行程は「せんぐう館」から。
伊勢神宮外宮(げくう) にある、式年遷宮を説明する資料館です。
遷宮に投入されるエネルギーのすごさ、遷宮によって継承される技術、祭儀の様子などについてじっくり学べます。実際に座学で勉強した歴史的経緯や宗教的経緯が随所に隠れているのが面白い。
お昼ごはんは国崎にて、海女さんのやっている料理屋さん。
うにごはんにサザエ、カキフライ、お刺身盛り合わせ、そして煮つけ!
海の幸を堪能しつつ、海女のみなさんの生活についていろいろお話を伺いました。
陰陽道が海女さんの生活に根差しているなど驚きの連続です。
なぜ海女か? というと、熨斗あわびを必ず奉納するからです。
アワビを細切りにして乾かしたもの。保存食です。
「のし」という言葉のもととなったもの。
これが熨斗あわび。かたい。
お守りにしてもよいそうです。
海の幸に舌鼓を打った後には海の博物館へ。
伊勢の神宮へ奉納する品々などをご説明いただきました。
志摩半島の「海民」の生活や物産などについて理解を深めることに。割と駆け足で。
再訪してもうちょっとじっくり見たいところです。
夕方、宿に入ってそのすぐ近くの賓日館(ひんじつかん)へ。
伊勢の神宮に参拝する賓客の宿泊施設として明治20年に建てられた由緒正しい建築物です。
ちょうどひな祭りシーズンということで、街ぐるみでひな祭りスタンプラリーをやっていました。賓日館にも数百体のひな人形が展示され、江戸時代ごろのものから平成の作家ものまで多様なひな人形を堪能することができました。
賓日館。重厚ですね
こちらではトークショーが行われたのですが、ゲストが鶴田真由さんと鈴木英敬三重県知事!
知事の話が実に面白かった。今年伊勢の神宮の式年遷宮が行われるにあたって、三重県のバックアップ体制を十分に取ったこと。「政教分離の原則」について。二十年後の次の遷宮では伊勢をエルサレムやメッカやラサのような世界的な宗教都市にしたいということ。うーん、なかなかダイナミックです。
そして夜の懇親会では、赤福など伊勢を代表する老舗の経営者さんがた、三重県などの行政マンの方々などとともに、美味しいお酒と美味しいお食事と素敵なトークを堪能したのでした…
ちょっとだけ・・・
「美味し国」ですね、さすがに。
【2日目】
2日目は朝イチのみそぎから始まる…予定だったのですが、さすがに寒すぎて厳しいので参拝だけとなりました。
二見興玉神社(ふたみおきたまじんじゃ)の浜参宮といって、古来伊勢の神宮に参拝するものは禊をしてから参拝するのだそうです。
われわれは夫婦岩を参拝。一応日の出らしきものも見ました。
ここからがメインです…が!
スマホの電池が切れてしまい、写真が撮れませんでした…
神官の方にご案内いただき、外宮→月読宮→内宮と参拝。
特別に垣内参拝(要は、普通は入れないところで参拝)をすることができたのには感激。
やっぱり伊勢の神宮はスケールでかいなぁ。
執念で撮った一枚。
まだ使われてない、新しいお宮です。白木ですがキラキラ輝いて見えますね。
ちなみに木々は倒れたら同じような木を裏の山から探してきて移植するそうです。できるだけ変えないために。
自給自足の原則と並んで感銘を受けました。
遷宮後、またお参りしよう。しかも友達や家族を連れてこよう。
と、見事に三重県の意図に乗っかってしまったわたくしでありました。
お参り終わった後にいただいた赤福@特別室にて。
なんて上品な味なんでしょう…
ちなみに赤福さんは今年看板を掛け替えたそうです。遷宮と一緒に替えるらしい。
【区政に生かしたい視点】
さて、ここから政治的な視点で。
三重県が実施したコンペの概要をみると
「1 委託事業の目的
首都圏在住で、情報に対する感度が高く、また情報発信力を有する方を、三重に愛着を持つ少数精鋭のコアな三重県ファンとして囲い込むために、これらの方達が三重県の魅力を身近に感じ、共感することができるような講座の実施について提案を求めます。」
「情報感度が高く」「情報発信力を有する方を」「少数精鋭のコアな三重県ファンとして囲い込む」
いい意味で行政の書く文章とは思えませんね。戦略的です。
参加した皆さん大満足で、相当な伊勢ファン・三重県ファンになっています。フェイスブックにグループが立ち上がっていますが、やれ三重県の物産展だやれ式年遷宮の日程だー、と情報が飛び交っています。
渋谷区の議員としては、観光行政に社会教育をプラスすると相当な効果があるんじゃないか、と実感しました。
勉強するから深みが出る。深みが出るからはまる。はまったらほかの人にも話すし、また行ってみたくなる…まさに好循環が作り出せると思います。
実際、今回の講座でも座学で学んだ内容が随所に発見されます。
歴史的経緯の痕跡を探すというのはとても能動的な学びですね。たんに物見遊山ではなく、深く知ることができるし、さらに知りたくなります。
観光行政は最近の渋谷区政のテーマの一つです。観光協会もできたばかり、議会質問でも観光行政についての議論が活発になってきています。
特に渋谷区には大きな観光資源として「明治神宮」がありますし、実際今回の講座でも明治神宮との対比はよくお話に出てきました。
さすがに同じようなことを渋谷区でやるというのは難しいと思いますが、考え方としてこの観光行政と社会教育の融合は有効です。じっくり考えを深めて提案に結び付けていければと思います。
株式会社umariさんが事務局を務める「究極のお伊勢参り」講座です。
究極…
参加してみた感想としては「まさに究極!」でしたよ。
期待にこたえるものでした。
この講座は4回の座学と1回のフィールドワークで成り立っています。
・伊勢神宮と歴史:古事記から明治維新まで、伊勢神宮をめぐる歴史について
・伊勢神宮と出雲大社:比較を通じて伊勢神宮を学ぶ
・常若の聖地伊勢神宮:伊勢神宮で行われる祭祀と遷宮について学ぶ
・日本の神話と伊勢神宮:古事記に記された神話から伊勢神宮を学ぶ
と、さまざまな角度から伊勢の神宮について座学で学びます。これがとても面白かった。
日本の成り立ちそのものを考え直すよい機会となりました。
【1日目】
そして待ちに待ったフィールドワーク。
集合時間の30分前に到着。当然ですが事前に自主的にフィールドワークをするわけですね。
今回は伊勢うどんを食べてみました。うむ、新しい味。
ということで、正規の行程は「せんぐう館」から。
伊勢神宮外宮(げくう) にある、式年遷宮を説明する資料館です。
遷宮に投入されるエネルギーのすごさ、遷宮によって継承される技術、祭儀の様子などについてじっくり学べます。実際に座学で勉強した歴史的経緯や宗教的経緯が随所に隠れているのが面白い。
お昼ごはんは国崎にて、海女さんのやっている料理屋さん。
うにごはんにサザエ、カキフライ、お刺身盛り合わせ、そして煮つけ!
海の幸を堪能しつつ、海女のみなさんの生活についていろいろお話を伺いました。
陰陽道が海女さんの生活に根差しているなど驚きの連続です。
なぜ海女か? というと、熨斗あわびを必ず奉納するからです。
アワビを細切りにして乾かしたもの。保存食です。
「のし」という言葉のもととなったもの。
これが熨斗あわび。かたい。
お守りにしてもよいそうです。
海の幸に舌鼓を打った後には海の博物館へ。
伊勢の神宮へ奉納する品々などをご説明いただきました。
志摩半島の「海民」の生活や物産などについて理解を深めることに。割と駆け足で。
再訪してもうちょっとじっくり見たいところです。
夕方、宿に入ってそのすぐ近くの賓日館(ひんじつかん)へ。
伊勢の神宮に参拝する賓客の宿泊施設として明治20年に建てられた由緒正しい建築物です。
ちょうどひな祭りシーズンということで、街ぐるみでひな祭りスタンプラリーをやっていました。賓日館にも数百体のひな人形が展示され、江戸時代ごろのものから平成の作家ものまで多様なひな人形を堪能することができました。
賓日館。重厚ですね
こちらではトークショーが行われたのですが、ゲストが鶴田真由さんと鈴木英敬三重県知事!
知事の話が実に面白かった。今年伊勢の神宮の式年遷宮が行われるにあたって、三重県のバックアップ体制を十分に取ったこと。「政教分離の原則」について。二十年後の次の遷宮では伊勢をエルサレムやメッカやラサのような世界的な宗教都市にしたいということ。うーん、なかなかダイナミックです。
そして夜の懇親会では、赤福など伊勢を代表する老舗の経営者さんがた、三重県などの行政マンの方々などとともに、美味しいお酒と美味しいお食事と素敵なトークを堪能したのでした…
ちょっとだけ・・・
「美味し国」ですね、さすがに。
【2日目】
2日目は朝イチのみそぎから始まる…予定だったのですが、さすがに寒すぎて厳しいので参拝だけとなりました。
二見興玉神社(ふたみおきたまじんじゃ)の浜参宮といって、古来伊勢の神宮に参拝するものは禊をしてから参拝するのだそうです。
われわれは夫婦岩を参拝。一応日の出らしきものも見ました。
ここからがメインです…が!
スマホの電池が切れてしまい、写真が撮れませんでした…
神官の方にご案内いただき、外宮→月読宮→内宮と参拝。
特別に垣内参拝(要は、普通は入れないところで参拝)をすることができたのには感激。
やっぱり伊勢の神宮はスケールでかいなぁ。
執念で撮った一枚。
まだ使われてない、新しいお宮です。白木ですがキラキラ輝いて見えますね。
ちなみに木々は倒れたら同じような木を裏の山から探してきて移植するそうです。できるだけ変えないために。
自給自足の原則と並んで感銘を受けました。
遷宮後、またお参りしよう。しかも友達や家族を連れてこよう。
と、見事に三重県の意図に乗っかってしまったわたくしでありました。
お参り終わった後にいただいた赤福@特別室にて。
なんて上品な味なんでしょう…
ちなみに赤福さんは今年看板を掛け替えたそうです。遷宮と一緒に替えるらしい。
【区政に生かしたい視点】
さて、ここから政治的な視点で。
三重県が実施したコンペの概要をみると
「1 委託事業の目的
首都圏在住で、情報に対する感度が高く、また情報発信力を有する方を、三重に愛着を持つ少数精鋭のコアな三重県ファンとして囲い込むために、これらの方達が三重県の魅力を身近に感じ、共感することができるような講座の実施について提案を求めます。」
「情報感度が高く」「情報発信力を有する方を」「少数精鋭のコアな三重県ファンとして囲い込む」
いい意味で行政の書く文章とは思えませんね。戦略的です。
参加した皆さん大満足で、相当な伊勢ファン・三重県ファンになっています。フェイスブックにグループが立ち上がっていますが、やれ三重県の物産展だやれ式年遷宮の日程だー、と情報が飛び交っています。
渋谷区の議員としては、観光行政に社会教育をプラスすると相当な効果があるんじゃないか、と実感しました。
勉強するから深みが出る。深みが出るからはまる。はまったらほかの人にも話すし、また行ってみたくなる…まさに好循環が作り出せると思います。
実際、今回の講座でも座学で学んだ内容が随所に発見されます。
歴史的経緯の痕跡を探すというのはとても能動的な学びですね。たんに物見遊山ではなく、深く知ることができるし、さらに知りたくなります。
観光行政は最近の渋谷区政のテーマの一つです。観光協会もできたばかり、議会質問でも観光行政についての議論が活発になってきています。
特に渋谷区には大きな観光資源として「明治神宮」がありますし、実際今回の講座でも明治神宮との対比はよくお話に出てきました。
さすがに同じようなことを渋谷区でやるというのは難しいと思いますが、考え方としてこの観光行政と社会教育の融合は有効です。じっくり考えを深めて提案に結び付けていければと思います。
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