平成24年渋谷区一般会計予算案発表〜掲げた政策の実現〜平成24年第1回定例会始まりました

2012年02月21日

渋谷区の被爆対策はいかにあるべきかを考える

大上段に構えたタイトルですが・・・


きっかけは、「ある学校では、自主的に放射性物質検査をしたいという申し出に対し、給食を提供していたが、最近はその申し出に応じないようになった」と言う噂です。


担当に問い合わせたところ、実際某小学校では検体を提供したことがあるようでした。
検体とは、食中毒などが発生した場合に備え、2週間程度学校で保存しておく給食です。費用は区が出しているようです。
基本的には学校長が管理しています。


これについて、
1、検体はあくまで食中毒などのために保存しているもので、これが流出することによって万一食中毒被害を出してしまうことは避けなくてはならない(誰かが食べちゃったら困る、ってことです)
2、渋谷区では既に健康推進部の一元対応の元学校給食についても抽出して放射性物質検査をしており、それで十分と考えている
ということを担当課長から聞き取りを致しました。


もう一歩進められればずいぶんよくなるのになぁ・・・という思いを強く持ったところです。


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○不安が健康被害に直結する?


最近、大変興味深いデータが発表されました。


調査結果、原発事故や放射能への不安は文系・低所得層ほど拡大(慶応大学)


この調査を詳細に眺めてみると、不安感が健康やストレスに大きく影響を与え、また消費行動等にも変化を与えていることがはっきりします。
特に、対応力が低い(引っ越したり安全な食材を購入したりという対応手段がとりにくい)と思われる低所得者層・非正規労働者・無業者層や、感受性が強いといわれるこどもを抱える子育て世代においてはこの傾向が強いようです。


行政は、安全を確保するだけでは不十分です。住民の健康や精神状態にとって大きな危険となっている不安の解消に力を入れていかなくてはなりません。
とはいえ、行政が「安全ですよ―^^」と能天気にアナウンスしても不安解消に意味はありません。
それだけ状況は深刻なのです。


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○被ばく対策に対する私の考え


私は、9月議会で「被ばく対策」について取り上げましたが、安全確保と安心確保はわけて論じるべきだと思っています。


・安全確保は、国を中心に基準を設けて適切に実行すべき。渋谷区でも、例えば一定の基準を上回った場所の除染を行うなど、科学的根拠のもと系統立てて行うことが必要。
・安心確保は、個人によって差が大きいうえに、行政に対する信頼感が揺らいでいる現状、また財政的に厳しい現状を踏まえ、個人防衛を十分にサポートできる体制構築を目指すべき。



不安や心配については心身の健康に直結する可能性があることは先ほどのデータで明らかです。しかし、不安そのものはそれぞれのひとによって内容や程度が違うので、ひとりひとりが不安解消のために努力せざるを得ない。
行政は、それに対してできるだけのサポートを行っていくのがいいと思います。


例えば、保育園で使われている水が心配だ、と言う場合には水などのもちこみができるようにする。
自宅の周辺や通学路が気になる方には、線量計をお貸しする。
校庭や学校施設における線量が気になる方には、直接ご自分で測っていただく。
公園や校庭・園庭等の自主清掃を可能にする。


などなど、「不安だ!」と思われた方が自分で不安を解消できるようにするのがよいと思うんです。
行政で測ったら限度があります。「あそこの側溝も測って!」等のご希望には十分こたえられないでしょう。場合によっては、「行政の公表する数字は信頼できない」なんて思われることもあるかもしれません。


私はこの観点で提言を続けてきましたし、民主党渋谷区議団もこの方向にある程度沿って進んできました。今のところ、弁当・水筒の持ち込みなど一定の成果は出てきたと思っています。


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学校給食については、抽出しての調査は進められているものの、最善である全食ミキサー検査(要は、口に入る放射性物質を網羅的に、かつ食材ごと調査するより安価で検査できる)を行うまでには至っておりません。
費用もかかることなので、そこまで行くのは財政面からも手間の面からも難しいとは思っています。


とすれば、次善の策として、自主的な給食検査を可能にし、自己防衛していただくのがいいのではないかなぁ・・・



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kenposzk at 15:05│TrackBack(0)

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