渋谷区の平成22年度予算案について区の責任放棄-議会質問に対する答弁-

2010年02月19日

『学び合い』勉強会&授業参観の報告

上越教育大学の西川先生が提唱する『学び合い』という授業思想について、実践なさっている先生をお招きして16日に勉強会を、今日18日に授業参観を行いました。


『学び合い』は、学校、教師の役割を純化・強化し、また生徒を集団と捉え、最大の効果を生み出すものです。
具体的な授業においては、教師は学級の経営者に徹し、「一人も見捨てない。全員が課題をできるようにする」というビジョンを提示した上で、課題を提示して進捗と結果を管理します。
授業中は教師が教えるのではなくて、生徒同士が学び合う(教え合う)ことによって、擬似的な「全員による個別指導」を実現し、効果を上げます(学術的には、教師役と生徒役の課題に対する認識の差が開き過ぎない方が学習効果は高くなるそうです)。
わからない生徒には全員が教えようとするので疑問点が解消されやすく、また教えた側の生徒も説明をすることによって認識が深まるという効果があるようです。さらに、授業中の言語活動を通じてコミニケーション力がつく他、生徒が「折り合い」を身につけることによってクラス全体のまとまりが(男女混合など)が生み出され、特別支援の子どもや異学年(小学校から中学校までごっちゃに!)も含めて高い成果を達成しているといいます。


(参考)
○学び合いを提唱なさっている西川先生のサイト
http://www.iamjun.com/
手引書:http://www004.upp.so-net.ne.jp/iamjun/manabiai/tebiki/tebiki2.pdf


○16日勉強会
動画:http://www.stickam.jp/video/179755255
議事録:http://togetter.com/li/6044
高橋亮平氏ブログ:http://blog.livedoor.jp/ryohey7654/archives/51377854.html

○18日授業参観
浜田浩樹氏ブログ:http://blogs.yahoo.co.jp/hamada_hiroki_2007/61001140.html

 


私は正直深入りし過ぎて客観的な視点を失っていると思いますので、同行したインターンの感想を掲載します。


○16日勉強会分

●一人目
・「学校=みんなが幸せになる場所」 だから「みんなでみんなができるようにしよう」という発想。
・他の人に説明することによって自分の理解がより深まる。
・1000時間の仲間同士のコミュニケーションによってコミュニケーション力 UP。
感想: いろんな教科でやることによって教える子と教えられる子が逆転して、
ひとりひとりが自分の存在に意味を見出せるようになるのではないかと思った。
なによりも生徒が楽しんで授業を行えるというのが魅力的。


●二人目
まず、私は「学び合い」の考え方は素晴らしいと思います。「教える」ことは物事を「考える」ことでもあると私自身が実感しているからです。

私はいま、子どもにバッティングを教えるアルバイトをしています。私は13年ほど野球をやってきましたが、ここまで野球について考えたことはありません。私が当たり前にできることが、子どもたちにはできない。では、どうやったらわかってもらえるのか。どうしてこの技術が必要なのか。それを考えるようになりました。そこには新しい「気づき」があります。

このことを、「学び合い」にあてはめるとすれば、私が「成績上位者」で、子どもたちが「落ちこぼれ」となるでしょうか。講師の三長さんは、「塾で習った教え方を、わからない子に教えても理解してもらえない。だから、出来る子は『どうしたらわかってもらえるか』を考えるようになる」という趣旨のことを述べていました。きっと成績のいい子どもたちの頭の中は、教えるという行為によって、すっきりと整理され、物事の本質みたいなものを理解していくのではないかと思います。これが講演を聞いていて感じた「学び合い」のメリットです。

「落ちこぼれ」を出さないという考え方は、先日のリヒテルズさんの講演ともつながる話です。学び合いの考え方には、理想的ゆえの「不安感」があるのだと、質問内容を聞いていて思いました。良い授業方法だということはわかった、でも今現在落ちこぼれている人にはどうしたらいいのだろう。本当にうまくいくのか。そんな不安の声が、学び合いが広がれば広がるほど増えると思います。
そういった不安を解消するためにも、このような勉強会は大切だと思いました。


●三人目
教師は目標を出し、環境をつくり、評価する。実際に教えるのは生徒同士。生徒同士で教えあうことで、理解度が高まったり、自主性・社会性が身に付くといった良い効果が期待できる。
率直な感想として、すごく面白そう!!私もこのような授業が受けたい!先生の側でこのような授業を行い、子供たちの様子を見ていたいと思いました。
一方で、質疑応答でもあったように仲間はずれになる子がいないのか、実際生徒同士の関係性はどのようなのか、また、先生の力量に大きく左右される授業スタイルなのかなという疑問も抱きました。
明日、実際に授業を見学させていただくのがすごく楽しみです。


●四人目
「わからない/理解できない」ということを他者に伝えるのに困難を感じる生徒は多いと思います。
そこを同じクラスの生徒がサポートして、学び合っていく。或いは考えを出し合い、共有しながら課題を達成していく。
この図式は問題を発見し、解決していく力とコミュニケーション能力の向上に繋がる非常にスマートなものだと感じました。
先日のMTGで、教育の目的について「個人の可能性を高めることで個々の生活を幸福なものとし、それによって社会と個人が相乗的に豊かになるため」という考えが纏まりましたが、「社会」をクラスや学校に置換すればここにも通ずるものがあるように思います。


○18日授業参観

P1000916

 教室内のそこかしこで、一生懸命学ぶ子どもたちの集団。圧巻です!

数学では、3種類くらいの解法を見ました。それぞれのグループ間で情報を共有するので、3通りの別解・思考を体験する子が出てくるわけです。

なお、先生が発したのは、最初の課題提示を除けば時間管理の「あと○○分だよ〜」 および停滞している子への促し(他の子に聞いてみれば)くらいでした。後は机間巡視。

 

 
●一人目
・算数と社会(どちらも『学びあい』)を見学。
・算数のミッション:「・・・を求め、理由を分かりやすく参加している方々に全員が説明できる。」

・先生の合図と共にみんな移動し、グループをつくって考え始める。
・解けた子が他の子に教え始める→分かった子が増えて他のグループの子にも教える。
・ずーっと一人で考えてる子がいたが、最終的に周りの子が教えてあげていた。
・しかし結局時間切れでミッション達成ならず(分からない子がいた)。
 →「○○くん、教えてあげられなくてごめんね」という声。
・社会のミッション:「・・・について全員が話し合うことができる。」
・これもグループに分かれて好きな子同士で議論。
・話し合いが活発なところとそうでないグループがある。また、発言できてない子もいる。
・生徒同士で発言を促したり、立ち上がって違うグループに混ざってみたりしていた。
・最後に先生が達成できたか聞くと、みんな達成できたと手を挙げた。
・音楽・家庭科以外ではすべて『学びあい』だそう。
・分からなかった子や休んだ子のフォローは朝の時間や休み時間などに周りの子がするそう。
・みんな「学びあい」に対して積極的だった。
感想:自分で説明して他の人にわかってもらうというのはとても難しいが、多くの子ができており、楽しさを感じていた。
また、自分の意見を臆せず言える子が多く、ちゃんと議論しあえていた。学力も上がり、コミュニケーション力や発言力も上がるいい授業の仕方だと思う。

疑問点・問題点: 先生がいかにうまく生徒を動かせるかが重要だと思う。
また、ミッション達成のために友達の説明を丸暗記して写すだけの子がいないか心配。
ミッション達成が自己申告だから本当はできてなくてもできたといってしまいがちではないか。
全ての学級で行えるのだろうか。(先生の力量、塾に行っている生徒の多少によらないか)


●二人目
算数の時間の課題は円周の問題を解き、その解き方を参観者に「納得させる」ように説明することでした。クラス全員が説明し、参観者からサインをもらったらミッション達成ということでした。

その時間で私が一番気になったのはおそらく算数が苦手であろう2人組の男の子。彼らは「この問題は俺たちの手に負えない!」と声をあげ、ある参観者が「どうして?」と尋ねると「俺たちバカだから」と答えていました。その答えに一瞬どきっとしましたが、彼らはそういうと問題の解けた子の元に走っていったり、参観者に解き方を説明している子の横で説明を聞いたりして何とか解く方法を見つけようとしていました。
自力で考えず友達にすぐ解き方を聞いてしまうとか、出来る子の真似で実際に解けるようにはならないのかもなど『学び合い』でも弊害はあるのかもしれません。しかし、その弊害は通常の授業でも避けられるものではないと思います。

「自分はバカだから」と言った子がそこで諦めず、解き方を聞きにいったりしてとにかく答えを求め続ける姿勢を身に付けることができるということが、『学び合い』の大きな意義なのかなと思いました。
見学前は出来ない子にとって苦しい時間なのかなとも思っていましたが、「わからない、教えて」と皆が当たり前にいう環境だからこそ、わからないことが恥ずかしくない、出来ない子の劣等感も通常の授業より少なくなる可能性もあるのかもとも思いました。



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kenposzk at 16:07│TrackBack(0)考え・想いなど 

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