2008年08月31日
渋谷区役所本庁舎の管理・駐輪場
渋谷区役所はオープンスペースが多く、侵入しやすい形状になっています。その意味で庁舎管理が非常に難しいです。
以前から危機管理に関心があり、その観点から本会議でも庁舎の侵入者対策などを取り上げました。
今回は、庁舎の休日の管理状況を調べるために、3週間にわたって特に駐輪場に焦点を絞って定点観測的に調査を行いました。割れ窓理論を持ち出すまでもなく、無秩序な状態が少しでもあるとどんどん治安や状態が悪くなるのは当然です。その観点から調査をいたしました。
以下、ご報告です。
8月17日12時半(以下時間は同じ)
保健所側駐輪スペース
渋谷公会堂人工地盤下駐輪スペース
各部署で使っている公用自転車もありますが、ロードバイクなどの私物が大半を占めます。ただし、職員さんが休日出勤で利用しているものもあると思います。放置自転車らしきものもあり、そのうち一台には警告文が当日朝の時刻で貼ってありました。
この段階で庁舎管理の担当課長に連絡し、管理の徹底を要請いたしました。
8月24日
保健所側
人工地盤下
この日はビックスクーターが人工地盤下の駐輪スペースにおいてありました。一般的には来庁者は保健所側スペースに、外部の方は有料駐輪場に止めるルールになっています。要請したにもかかわらず現状はあまり変わりがありませんね。
8月31日
保健所側
人工地盤下
今までで一番台数が多いですね。夏休みが終わったからなのか、それともイベント(防災パーク)が代々木公園で行われているからなのか。はたまた翌日が防災訓練で準備に動員されているなど、公務で出勤が多いのか。
バイクの駐輪も多かったようです。一台には警告文が貼ってありました。
こんな感じです。
・・・と、まさに調査中のその時!
一人の青年が何事もないように自転車で乗り付け、慣れた感じで自転車を置き、去っていったのです!
保健所側のこの一角に乗りつけました。
うーん、怪しい・・・
ということで、行方を確認してみますと、案の定庁舎外へ。
この人ですね。公園通りを横切ろうとしています。
これは庁外の人だな、と思い、後を確認してみると、なんと北谷公園のすぐわきのビルにある古着屋の店員さんだということがわかりました。
北谷公園はご承知の通り有料の自転車駐輪場があります。そこに駐輪するのではなく、徒歩2分くらいかかる役所内の駐輪場に停めているということは・・・経費節減のつもりなんでしょうか。
気持ちはわかります。毎日の通勤で駐輪場を使っていたら結構いい金額になります。役所の駐輪スペースをつかえば無料です。ということで、ある意味努力をして経費節減に努めているのでしょう。公道に停めてしまうのではなくて、現にある駐輪スペースを使うというのなら、迷惑をかけるわけでもありません。良心的と言えば良心的ともいえるでしょう。
とはいえ、北谷公園にある有料駐輪場との関係を考えると、均衡がとれていないようにも感じます。設置者である渋谷区が、一方では結果的にとはいえ無料で使える駐輪スペースを至近に提供してしまっている形になるわけです。これは有料駐輪場をご利用いただいている方々にとってみれば心中穏やかではない事実でしょう。
また、庁舎のほとんどが閉まっている日曜ならともかく、平日にも同様に駐輪されてしまっているとすれば、来庁者のためのスペースが削られてしまっていることになるでしょう(実際駐輪スペースは足りなくなっています)。
こういう観点からいえば、開庁時・閉庁時を区別することなく、駐輪スペースの管理をより徹底するために何らかの方策が必要なのではないでしょうか。例えば、相当経費はかかりますが、街中の駐輪場で使われている管理システムを導入することも考えなくてはならないでしょう。
細かなことなのかもしれません。しかし、細部の管理を怠ると状態はどんどん悪化すること(危機管理対策)、そして近隣に設置した有料駐輪場との整合性を図ること(駐輪場政策)、この2点を考えると、庁舎の駐輪スペースについてはあらためて考える必要がありそうです。