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2008年08月15日

「都政は永遠に続く」のか? 経験重視型の人材育成でいいのか?

都政の情報誌の一つに「都政研究」があります。
23区の新施策に関する論文なども載るので毎月読んでいるのですが、今月号の巻頭に気になる言葉がありました。

「東京都は永遠に続くのだから」という言葉です。
文脈としては、幹部職員の育成が促成栽培に偏っている、長期的な視点でもっと多様な経験を積ませるよう慎重な配慮が必要だ、というものです。

 

私はこの言葉に非常な違和感を感じました。

東京都は23区に対し再編を提起している立場です。
区政に対しては変化を求めておきながら、自らの永続性を前提にしているのでしょうか?
とすれば、おかしな意識だなぁと思います。

もちろん都政研究は都庁とは全くの別組織であるわけですが、それでも都政人の「気分」を如実に反映しているはずです。
東京都の職員が永続性を基本に据えて仕事をしているとすれば、それは変化に対して消極的な姿勢につながりかねません。変革の急な現代に対応できない体質になってしまうのではないでしょうか?

国では実現可能性は別として首都移転論や道州制議論が行われています。
東京都も「永遠に続くのだから」などと悠長なことを言っていられるはずはないのですが・・・

 

さて、促成栽培的な幹部職員育成について。
私よりもかなり年上の方々ばかりなので、偉そうなことは言えませんが、私も以前は都政研究の論調と同じように「じっくり腰を据えていろいろ経験させることを通じて人材育成したほうがいい」と思っていました。

しかし、最近は、「育成」という観点よりは「仕事の充実」という観点で人事を行った方がいいと思っています。
仕事のスピード感がいや増す中、ポストについてから結果を出すまでの期限は非常に短くなっていますので、いかに早くその部署に慣れ、仕事をする体制を作っていくかが問われます。
であれば、人事は適所配置を基本とし、資質(得意な政策ジャンル、仕事ジャンル)と状況にあわせた配置が一番に求められます。
能力の向上は研修で、経験の蓄積は組織対応で実施すべきであり、人事による効果に期待するべきものではなくなってきているのではないでしょうか。
もっといえば、すぐに新しい部署になじめる人となじめない人がいるわけですが、一律に2年や3年ごとに人事を異動させるのではなくて、すぐになじめる人は1〜2年で移動させてもいいでしょうし、なじめない人は5年くらい同じポストにおいておいてもいいはずです。組織としては人事異動に伴うコストを最小限にできますし、個人としても余計なフリクション・ストレスを抱えなくてすみます。
#当然、異動が少ない人は出世なども遅れるのでしょうが、それだけ「すぐになじめる」というのは評価されるべき能力だと考えます。


以上、簡単にいえば、人事配置はあくまで結果を出すための適材適所を旨とし、能力開発は研修等に、経験蓄積は組織対応(ノウハウの蓄積、暗黙知の形式知化)によって行うべきです。
そのうえで、新しい部署にすぐになじめるかなじめないかを資質・能力としてとらえ、各人に合わせて異動年数を考えていくべきです。
そういう体制をとり、スキルと資質、専門性が合致させるならば、結果を出す目的での人事は機能するでしょう。

「結果を出すための人事」これが一番大事なことだと思います。経験を通じた人材育成は副次的効果でしかなく、その意味は限りなく少なくなっているのではないでしょうか。


#議員もそうです。当選して一年目で「新人議員だから・・・」と胡坐をかくのは議員として無意味ですね。勉強しつつアウトプットを出さなければ。
#自戒を込めて書きました。

 



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kenposzk at 19:09│TrackBack(0)議会活動 

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