2008年06月20日
渋谷区の区民税減免制度について
総務区民委員会が開かれました。
今回は、所管事項の調査が二件。そのうち税の減免制度についてを報告します。。
◎特別区民税・都民税の減免について
所得税法第323条には、市町村民税を市区町村長が減免することができるとの規定をおいています。一般的にはあまり使わない手法ですが、この規定を活用するとの方針が固まり、具体的な報告が行われました。
基本的な枠組みとしては、
・生活保護水準以下の所得の方について、担税力の回復の見込みが無い場合、申し出によって減免の審査を行う
・審査は家族や資産状況(自己居住は除く)、個々の事情(疾病や事故などで回復の見込みが無いなど)による
・減免は所得割の全額減免により行う
ということのようです。
また、地方税法第45条の規定により、市町村民税の減免を受けたものは同じ割合によって都道府県民税も減免されるということです。
私は、今回示されたこの方法についてこう考えています。
・減免規定があるのだから、活用することは自治権の拡大に当たり、異論は無い。 ○
・生活保護制度と税体系の間の制度矛盾を解消する試みである。 ◎
・また、後期高齢者制度や各種非課税措置の廃止など低所得者(特に高齢者)の負担が拡大する中、減免は一定の意義がある。 ○
・とはいえ、低所得者の支援のための諸施策は別に存在し、さらに非課税制度が存在する以上、地方税で過剰に救済すべきではない。 △
・また、負担の公平の観点、自助の原則の観点などから、要件を厳密にし、対象を限定する必要がある。 △
以上から、要件をある程度厳密にし、所得割減免に限ったこの減免は、制度間の矛盾を解消するために意義のある制度であり、評価できると考えています。ただし、濫用にならないよう注意することと、東京都との調整が十分必要でしょう。
今後、物議を醸すかも知れませんが、区長の決断は一定評価をしたいと思います。