渋谷区長選挙に向けて・坂井正市氏渋谷区土地開発公社

2007年01月20日

渋谷区に対し、都区財調からお金が!

今回は難しい話です。

東京23区では、都区財調と言って、本来市の収入である市町村民税の法人分、固定資産税などを東京都が徴収する制度があります。

そのうちの約半分を東京都が取り、残りの半分を23区が配分します。配分の方法は簡単に言えば「豊かな区には配分を少なく、財政の厳しい区には配分を多く」ということで、いわゆる水平的財政調整ということをやっています。

渋谷区は比較的豊かな区といわれ、ここ数年財調からの配分はほぼゼロでした。市町村民税の法人分と固定資産税はおよそ900億円前後と推計され、その分の収入がまるきりないわけですから、ずいぶんひどい話なのです。

ちなみに、渋谷区の一年間の使うお金がおよそ800億円程度ですから、区の財政規模以上の収入が取り上げられてしまっていることになります。

 

来年度財調協議のなかで、ついに渋谷区に30億円程度の資金が支給されることになりそうだ、との情報が入ってきました。

これは、税制改革によって渋谷区が90億円(約一割ですね)の収入減になってしまうため、「激変緩和」ということで支給されるようです。少なくとも複数年の支給を区は求めているようですが、長期的にどうなるかはわかりません。

私も当選以来都区財調の問題点については重ねて指摘していたところです。今回の成果については、区と東京都の姿勢を素直に評価したいと思います。

 

ここでひとつ指摘をしたいのは、本来的には市町村民税の法人分と固定資産税については、本来「応益負担」であることです。自治体の活動、例えば道路整備や美化の向上、清掃事業などによって、企業活動がやりやすくなり、土地の価値も上がる。だからこそ応分の負担を企業収益や土地に求めていくべきだ、と言う考え方に基づいています。

そうであるならば、本来都区財調によって渋谷区がそれらの税収を取り上げられてきていたのは、税金の趣旨をあまりにも逸脱していると言わざるを得ません。つまり、都区財調という制度そのものに大きな問題があるのです。

今回の都区財調協議、大きな一歩を勝ち取ったことは間違いありません。これをスタートに、本来あるべき財政調整制度への移行、税金の趣旨を尊重した制度への以降を求めて行きたいと思います。

23区の中では経済的な格差が確かに生じていますので、水平的な財政調整の必要性を否定するつもりはありません。とはいえ、渋谷区は経済的に高度に発展した町になりつつありますが、その一方でそれによってさまざまな問題(渋滞や騒音、環境悪化、土地代の高騰による道路新設・施設維持の困難さなど)が起こっています。そのための資金源が確保できる制度になるよう、さらに財調は改革が必要です。



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kenposzk at 12:15│TrackBack(0)議会活動 

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