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2006年12月14日

道の景観

渋谷区でも、景観の議論も盛んになってきています。

景観は捉え方が様々で難しい点もあります。例えばドコモタワー。新宿御苑に浮かぶ近代的なタワーが「かっこいい」という向きもあれば、逆に「せっかくの緑が台無しだ」という人もいます。
感覚的なものなので難しいですね。


さて、道の景観については割りとわかりやすいポイントがあります。道幅や歩きやすさ、街路樹、そして見通しです。

例えば表参道。美しい欅並木がゆったりした歩行空間を彩っていて非常に快適な道になっています。
沿道の店も、若干統一感にかけますが、賑わいを演出していてそれはそれでいいですね。

外苑の並木も同様です。美しい道です。
緑が豊かな歩行空間がまっすぐに連なり、気持ちいいですね。


この二つの道はどちらも東京屈指の景観だと思いますが、一つだけ大きな違いがあります。見通したときに正面に見える建物です。
外苑の場合は絵画館が正面になり、見通して非常に美しい。
これに対し表参道は、見通すとコンドマニアが見えるなど、この点において劣っています。
もっと言えば、せっかく突き当りが明治神宮の森・原宿駅なのだから、これが活かせていればさらに優れた道になるのだろうと思います。今はせっかくの森が歩道橋にかき消されてしまっていて、本当に残念でなりません。


こういった道の突き当たりへの眺望・景観のことを、ヴィスタと言うようです。
ここを押さえるだけでも、かなり都市景観の見方が変わってくるように思います。


例えば、道玄坂と公園通りの対比。
渋谷駅側から見ると、道玄坂はまず109の壁面にかけられる週変わりの大きな広告が、そして上っていくと突き当たりのように見えるポイントにピンクの「風俗案内所」が見えます。
逆を見ても東急百貨店がデデンと催事の垂れ幕をかけています。 
それに比べ、公園通りは、渋谷駅から降りて歩くと丸井のピロティが、そして坂を上ろうとするとパルコが、パルコを過ぎると代々木公園が見えて、眺望的には割りと優れた道になっています。

この二つの通りの性格は、ヴィスタの違いによってはっきりと表されていると考えるのは、あながち間違いではないようです。


今後、渋谷区でも景観に対しての取り組みが進められていきます。
都市景観の重要なポイントである「道の眺望」と言う点にどのようにこだわりを持って取り組めるのか、今後どんどん提言していきたいと思っています。

快適な街、快適な道は必ず作り出すことができるはずです。



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kenposzk at 17:18│TrackBack(0)

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