尾道市立辻堂小学校、陰山校長の話(視察まとめ)政治における手続きについて、今必要な日本のリーダー像について

2005年08月27日

ほりえもん

「かっぱちゃん。」さんからご質問いただいたんで、ほりえもんについて書いてみます。敬称略です。


私はいくつかに分けて考えていますが、

 1)ほりえもんの考え方と政治家
 2)ほりえもんの政策
 3)選挙情勢

この際、(1)のみに絞ってお話します。


長くなるので、結論から言うと、
「ほりえもんは議員には向いてない。首長や(総理)大臣ならいいと思う」
です。
なぜなら、彼はポジティブすぎるからです。実務を扱わない議員になっても、空回りをするだけのような気がします。

なお、「宣伝じゃん!」という反対意見もありますが、ほりえもん自身が認めているわけではありませんから特に触れません。
本当だとしたら、こんなに情けない話もないですけどね。「政治を私(わたくし)するな!」と思ってしまいます。

 

○「ほりえもん」って、どんな人?

前提として、私がほりえもんそのものをどう見ているかを列記します。
 1非常に論理的に考えているうえに、計算高い(いい意味で)
 2自分の役割をよく理解している(ライブドアでは大方針を立てる、広告塔となる)
 3状況に応じて方針や戦略を転換できる
 4ポジティブで【実現できるかどうか】ではなくて【どうやったら実現できるか】を大切にしている
 5優秀な人材を集める能力に長けている(=相手の夢を刺激する能力が高い)
こんな感じかな。かなりすごいなと思っています。

 

○(国会)議員て、どんな仕事?


ここで、議員の仕事について確認しておきましょう。

議員というのは、あくまで<意思表示を行う存在>です。
いわゆる有権者の代弁とか言うやつですね。
法律を作るのも、国民の意思を法律という形式で表現するということです。意思の代弁に違いはありません。

そうするとね。当然ながら、いろんな意見を集約しなければならないんですよ。
たくさんある論点の一つ一つについて、複数の意見があるんです。
郵政民営化一つとったって、賛成反対だけじゃないです。中間にもたくさんの意見がありますよね。
そういう状態が、外交とか、防衛とか、教育とか、いろんな論点であるんです。
一つ一つの意見を良く聞いて、その上で国民にとって何が重要なのか、整理するのが国会議員に限らず全ての議員の仕事だと思っています。

それと、もう一つ。
議員は具体的な仕事をするわけではありません。
仕事をするのは、内閣であったり、各省庁であったり、各都道府県市区町村であるわけです。
こまごました実務的なところまで発言できるわけではありません。あくまで「枠組み」を決めるのが議員の役割です。

 

○ほりえもんは国会議員に向いているの?


さて。ほりえもんがが国会議員という仕事に向いているかというと、正直なかなか難しいなと思います。

ほりえもんの思考法はこんな感じだと思います。
 A)大方針を立てる。
 B)いくつかの事業を計画する。
 C)担当者を選抜し、「どうやったらできるか」を明確にし、仕事を任せる。
 D)状況によって事業計画を適宜変更する。
 E)ある程度の成果を収める。
これ、ビジネスパーソンとしては最高ですよね。
一見できそうもないことでも取り組んで、成果を挙げる。
あこがれる人が多いのも当たり前だと思います。

でもね。議員は突っ走れないんですよ。いろんな意見があるのをわかっているから。
自分の意見もさることながら、他の意見もある程度尊重して、意見を集約していかなくてはならないんです。
その上、議員は実務はもてません。枠組みを決めるだけなんです。


郵政民営化の話を見ると良くわかります。
彼の話を総合すると、例えば過疎地の郵便局については、

「いろいろなやり方をすれば、郵便局をつぶさないですむ」

と主張しているように思います。

これ、めちゃめちゃポジティブですよね。でも、結局何一つ言っていない。
「やろうと思ったらなんでもできる!」
って言っているのと同じではないでしょうか。

社長ならそれでいいです。自分の会社が潰れるだけだから。
社員でもそれでいいです。必死こいてやり方を考えればいいから。

議員が、それじゃあいけないんです。
議員はシステムまでしか決められません。枠組みしか決められないんです。それ以上の個別具体的な方法論は、民営化された郵政会社が考えなきゃいけないんです。
そして、郵政会社にはほりえもんはいません。彼ができると思っていても、それを実行できる職員がいるとは限らないんです。


ほりえもんが言うような、
「こういうシステムにします。やりようによってはうまくいきますよ!」
で、責任は取れないんです。


個人で突っ走るのではなくて、様々な意見を尊重しつつ議論を重ね、最終的には
「こういうシステムにします。こういうリスクに対しては、こういう仕組みが働くから大丈夫です」
というのが、議員の最低限の見識であり、役割です。

 

○じゃあほりえもんは、政治には向いていないのか?


総理大臣であれば、あるいは所管の大臣であれば、話は別です。
具体的なことまで自分で決められますからね。
彼のリーダーシップを発揮できるでしょう。良くも悪くも。


マツモトキヨシの社長さんが松戸の市長になったことがあるのは、ご存知ですか?
彼は、有名な「すぐやる課」をはじめ、ユニークなアイディアを実現して松戸市の行政を一変させました。

ほりえもんは、そういった方向のほうがいいような気がします。
首長として、行政を変える。
彼の前向きさは、議員ではなくて首長のほうが圧倒的に向いていると思います。


以上、雑な議論になって恐縮ですが、ご検討くだされば幸いです。



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