2013年10月

2013年10月29日

北海道視察報告

10月22日〜24日まで総務委員会で北海道の3市を視察してまいりましたので報告します。


○稚内市(22日)


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稚内市です。到着が割と遅かったのですでに暗いですね。


・視察項目1 観光振興計画について

実は、渋谷区は2012年に官民共同で観光協会を作ったところで、観光行政は産声を上げたばかりです。
今は各地の観光振興策を見て情報を集めるフェイズかなと考えています。
もともと渋谷は黙っていても観光客が来てくださる場所ですし、観光客が来ても税収には跳ね返ってこないという財政構造になっているので、今まで手薄だったのです。私自身も知識が足りないと自覚しています。


稚内市は平成14年に観光客が81万人を誇った年ですが、徐々に減少し平成22年(東日本大震災直前)で50万人に至っています。平成24年は約49万人です。
その理由の一つとして、団体ツアーから個人ツアーへの変化に対応しきれていないということがあるようです。
夏季の観光客の割合が多いということで、対策はANAやLCCとのキャンペーンが主です。


計画は 1)国内最北端ということでイメージを高めていく 2)受け入れ態勢の強化 3)情報基盤の整備を上げています。特殊要因として、サハリンとの関係を強化し、フェリー定期航路の設定や3日間のビザなし上陸などによりサハリンからの観光客受け入れを強化していくとのことです。


・視察項目2 緊急告知ラジオ



稚内市には防災行政無線(要は、スピーカーです)が整備されていません。広大な市域をカバーし、また暴漢の観点から機密性の高い住宅に対して音を届けるスピーカー網を整備するためには相当な経費がかかります。

そこで、稚内市は、防災行政無線を整備するのではなく、各ご家庭に緊急告知ラジオを配布するという代替案を採用しました。電源が入っていなくても信号により強制的に電源が入り、緊急放送が流れるというものです。整備予算は1割程度で済むそうです。

個人的には、自宅にいない場合(自動車やオフィスや野外)の危険性はありそうですが、広大で地震リスクの低く津波も遠浅の海岸によって比較的脅威が少ないという現状であれば、財政を加味すれば十分効果のある取り組みなのかなと感じました。

渋谷区でも、高層化・高気密化が進んでいる現状を考えると、参考にしていくべき取り組みでありました。なかなか面白かった。


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○留萌市(23日)



・視察項目1 財政健全化計画


留萌市では長期的に財政状態が厳しい状態が続き、職員給与削減等税制健全化策に努めてきていましたが、平成19年に財政健全化法が施行され一部指標で深刻な数字が出てきてしまいました。
特に、地域の中核となっている私立病院の財政赤字が深刻であり、そのままでは財政再建団体(つまり、倒産ですね)になってしまうという状況でした。


そこで、平成21年〜27年を期間とした新・留萌市財政健全化計画をたて、強烈な財政健全化策に取り組みました。ちなみに財政規模は一般・特別・企業会計合わせて270億円程度です(平成25年予算)。

A)市民負担・サービスの見直し(15億円)
公園トイレや各地区公民館の廃止、ロードヒーティングや除雪の減少、各種施設の閉館、温水プールの閉館と学校の夏季水泳教室の休止、冬季スキー授業の公費負担廃止、補助金見直し、固定資産税・軽自動車税の引き上げなど

B)人件費の見直し(22億円)
給料を一律20%(それまでは7〜16%削減していた)、特別職(市長、副市長、教育長)を一律30%(それまでは20〜30%削減していた)、市議会議員は一律15%(それまでは9%)削減。

C)特別会計、企業会計の見直し
特に病院の経費の適正化を行い、安定的な経営をできるようにする一方、職員人件費を見直す、不良債務を切り離し財政を健全化するなどの取り組みをしています。


以上のような改革が奏功し、一部市民サービスについては再開することができるようになったということです。
財政危機の地域はどこでもそうですが、相当踏み込んだ経費節減に取り組みますよね…パブリックコメントなどの悲痛な叫び、そして行政に対する暖かい理解が心を打ちました。いや、改めて渋谷の財政は恵まれているなぁと感じますね。


・視察項目2 お茶の間トーク


行政が説明メニューを用意して、小集団での勉強会・意見交換会などに出張するもの。
防災やごみ問題などが中心でした。特に述べるものはありません。

○滝川市(24日)



・視察項目1 グライダーによる街づくり


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石狩川の河川敷を利用してスカイパークという公園を設置。とてもユニークな試みでした。
滝川スカイスポーツ振興協会に委託して運営しています。
もともと、災害時にグライダーで被害状況を視察した市長が民間と協力して進めてきた事業だとか。現在ではすべての小学生が1回は空から滝川市内を眺める体験をしているということで、視察時も40人ほどの小学生が順番待ちをしていました。

滝川市は菜の花でも有名だそうで、菜の花の時期には道外からも多くの方が体験飛行をなさるそうです。なお、空いていればどなたでも体験飛行が楽しめます。


・視察項目2 滝川市中心市街地活性化基本計画



滝川市の中心部は長らく駅周辺であったようですが、そこを通る国道にバイパスができたためにバイパス沿いに大規模店舗が林立するようになり、急速に中心市街地が寂れていったようです。



委員会視察はいいですね。
必ずしも自分の興味の持てる視察項目ばかりではありませんが、かえって視野が広がります。手薄な政策ジャンルが多いですから。
今回もさんざっぱら勉強させていただきました。


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kenposzk at 15:45|PermalinkTrackBack(0)

2013年10月10日

読売新聞の調査を拒否すべきでは?

第3回渋谷区議会定例会〜いわゆる決算議会〜が8日閉会しました。
論点の多い議会でとにかく疲れた。報告は改めて行います。


さて、見逃していたのですがとんでもない報道がありました。
XP期限切れ、自治体「攻撃めったにない」(読売新聞)10月6日
http://www.yomiuri.co.jp/net/news0/national/20131006-OYT1T00223.htm


要約すると、ウィンドウズXPのサポート期限が切れるのに多くの自治体で対策がとられていない、という記事です。
タイトルにあるとおり、三重県四日市市の担当者があまりにも危機感のないコメントをしていてびっくりです。
というより、そのまま報道を垂れ流した読売新聞の姿勢が信じられない。
四日市市をサイバー攻撃しろと言っているに等しいですよね、これ。


四日市市は読売新聞に抗議したほうがいい。むしろ、業務妨害等で訴えることができるなら訴えた方がいい。
担当者の危機感が足りな過ぎるということもあるが、それにしても読売新聞はやりすぎです。
無邪気にとんでもない記事を読売新聞は掲載してしまったといえます。


読売新聞が真摯な対応をしないならば、渋谷区や他の自治体は読売新聞の調査・取材に対応しない方がいいかもしれない。
無神経に情報を垂れ流されたら住民に大損害を与えかねないです。


追記:
書き忘れていましたが、自治体がOSのサポート期限切れに対応する必要があるのは言うまでもありません。


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kenposzk at 22:27|PermalinkTrackBack(0)

2013年10月01日

渋谷区の駐輪場政策について 〜インターン生のまとめ〜

9月いっぱいまでインターン生を受け入れていました。
その課題として、渋谷区の駐輪場政策について考察してもらいました。

一部ちょっと首をひねるところもありますが、なかなか面白い内容なので公開します。
参考になれば。

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自転車駐輪場 協定民営化について


【事業目的】
放置自転車や違法駐車された二輪車は、安全な歩行空間を阻害し、地域の美観を損ね、緊急時活動の阻害となるなど、大きな地域課題とされている。
その改善策の一つとして、民間のノウハウを用いて自転車駐輪場の整備を行うというものがある。


【事業概要】
概要として、区営でやるのではなく、区が土地を確保して民間事業者と協定を結んで運営してもらう仕組みをとっている。
区はあくまで場所を確保するのみで、それ以降の設備投資、整備等は民間の事業者が行う。また、駐輪場の収益の一部は協力金というかたちで区に収めるようになっている。
平成25年度からは笹塚、恵比寿、初台の3つが協定民営化され、整備が行われた。料金は最初の二時間は無料で、その後12時間で100円や、2階を利用すれば14時間で100円などの設定がなされている。


【課題】
 まず一つ目に、定期利用をどうするのかというものがあげられる。従来の定期利用者が定期利用をすることができなくなってしまったため、周辺の定期利用ができる駐輪場へ案内することが重要だと考える。
 また、料金の見直しも重要だと考える。平成22年度の第二回桑原区長の答弁で、「 また、協定民営駐輪場は独立採算で運営しており、他区のような区の持ち出しはございません。そして、料金を引き下げることはその反面として収支の均衡を欠くこととなり、事業からの撤退あるいは本区の負担をもたらすおそれもあり、現段階においては現行の料金水準を維持してまいりたい、このように考えております。」と、発言しているため、現行の料金設定でしばらくはすすんでいくと考えられる。しかし、従来の目的である放置自転車等をなくすためには駐輪場の整備だけが効果をあらわしているわけではない。ここで、川崎市の例を見てみたい。川崎市は12年4月、駐輪場の1日利用料金の上限を民間並みの200円に引き上げた。併せて立地や駐輪階層といった利便性に応じ、各施設の料金を細かく再設定した。川崎市では駅から近い屋根つきの駐輪場は200円、駅から遠い屋根のない駐輪場は50円から30円と差をつけた。結果的に12年の放置台数は約7400台で11年より2割減った。
 つまり、料金を正しく設定することによって利用者に選択肢を与えて利便性をとるのか、料金の安さを取るのかを選択できるようにしたのである。
 たしかに、料金をあげてしまうことで駅前の駐輪場自体の利用者を少なくしてしまうかもしれない(実際に川崎市では駐輪場の利用者は微減)。が、利用者に選択肢を与えるという点では料金の見直しを行うことは重要なのではないだろうか?
 



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kenposzk at 13:19|PermalinkTrackBack(0)