インターンシップ最終日議員の報酬について(2)

2004年12月20日

議員の報酬について


日中、区民の方から「特別職報酬(議員)にかかわる疑問点」という文書をいただきました。匿名で、「返答も結構」ということでしたが、この際自分の考えをはっきりさせておきたいと思っています。


 


以下、いただいた文書の要約。区ニュース12月15日号を読んでお書きになったようです。


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1、一般庶民の年間給与と比べ高額


(1)   A報酬を決める審議会委員の選出に偏りがあり、民間の給与体系に合致していない→サラリーマンの中層所得者層(年間所得5〜6百万)で構成すべき


B審議会で決定した給与額について、議員自らが給与額の審議をすることは、本末転倒


(2)   バブル時代の給与体系をそのまま維持しているので、年俸減額時代にあわせ6〜8百万に減額すべし


(3)   議員は奉仕の精神が必要


2、議員の情報公開がされていない


(1)   退職金・議員年金給付が公表されず、掛け金と税金の負担が明確化されていない


(2)   出張手当について各議員別に公表し、成果を議員個人が公表すべし


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まず、主観的な感想としては、真剣に考えていただいてありがたいと思っています。データをまとめ、議会に足を運び、議員に直接手渡すというのは、並大抵の勇気ではできなかったのではないでしょうか。それだけ真剣に疑問を感じ、行動に移していただいたんだと思います。その点、感謝いたします。


また、議員の一人として「給料が高すぎる」と思われてしまったことは残念に思います。実態を把握していらっしゃらないところもあるようですが、それでもなお議員の働きが評価されていないことには変わりありません。今後努力いたします。


 


さて、順番が変わりますが、まず、1(3)から。私はこれには真っ向から反対したいなと思っています。もちろん「奉仕の精神」は必要ですが、それは議員に限ったことではありません。公共のためにお互い助け合うこと、これは住民全員に求められるものでしょう。


私個人のことを申しますと、私は職業政治家です。自分の議決や行動に責任と誇りを持っています。政策提言も、政策実現も、(できているかどうか評価は皆さんに委ねますが)誇りを持って取り組んでいると思っています。奉仕の精神がまったく無い、というわけではありませんが、仕事として政治に取り組んでいることに誇りを持っています。自分の手で自分の町を少しでも変えていくことができているという充実感があります。奉仕でやっているわけではありません。私は過程と成果に責任を持って取り組んでいる職業政治家でありたいと思っています。だから、報酬に見合うだけの仕事をし、いや、報酬以上の仕事をしようと思っています。


ちなみに、議員の仕事は時間給や日給、月給で表現できるようなものではないとも思っています。たった二時間の会議で数百万の削減をすることもあるだろうし、たった一言で一年分の仕事を成し遂げることもあるかもしれません。一つ一つの発言が区を動かし、社会を左右する可能性を持っています。


・・・少し気負いすぎのような気もしますが、こんなことを思って仕事をしています。


 


引き続き、1(1)Aですが、これは異なる認識を持っています。区民のほとんどがサラリーマンというわけではありませんし、区民の平均年収が5〜6百万といえるわけでもありません。人口構成や年収構成に応じた審議会メンバーを選出するのは至難の業でしょう、というより不可能です。現状の制度より優位性が高いとは思えません。


ただし、選出や審議過程の透明性が低いといえるかもしれませんね。あくまで「かも」ですが。調べてみます。


 


1(1)Bについては、議員も含めて特別職の報酬は条例で定めることになっています。条例は議会で審議・議決しなければなりませんから、地方自治法上当然に議会の審議の俎上におかれます。


 


1(2)ですが、選挙や必要経費を考えると、今は年収4〜5百万の方と同じくらいの生活水準かなと思っています。ちなみに、昨日の昼飯は豚丼、今日の服装はスーツカンパニーのワイシャツ(2千円くらいか?)にアオキのスーツ(2万円弱だったか?)です。大していいものを食っているわけでも着ているわけでもありません。しかも、私は私服をほとんど持っていません。着る機会がわずかだからです。それだけ毎日何らかの仕事や用事が入ってきます。映画のような長時間拘束される娯楽は諦めました。もし3倍速で映像も音声もクリヤに再生できるデッキが発売されたらまた見るかもしれません。


 


4年に1度リストラされ、就職活動を人生かけて行わなくてはならないのが議員です。選挙のプレッシャーは筆舌に尽くしがたく、今でも選挙のことを考えると不安になります。朝4時におきて夜2時に寝る生活が2年後に待っているのかと思うと正直憂鬱です。


次の選挙ではたぶん何人かの仲間を挑戦させるでしょうが、今の待遇と不安定な身分を考えると2の足を踏んでしまうこともあります。多分本当に優秀な人間、つまりリスクにも敏感な人間は今の倍の報酬くらいにならないと議員にはならないでしょう。


 


さらに、バブル後の給与水準低迷に言及なさっていますが、逆に言えば議員の副業や再就職も難しくなり、議員になることのリスクがいやがおうにも高まっているということです。このまま給与水準を下げたらおそらく一部のお金持ちしか議員になれなくなるでしょう。地方の市町村では給与水準が渋谷よりかなり低いためそういうケースが多いですが、あまり好ましくないことだと思っています。


 


なお、議員はいくら活動しても報酬はほとんど変わりません。活動すればするほど支出が増え、金銭面で苦しくなっていくというのが実態です。


人事権を持っている住民が、仕事をする候補者に投票をし、仕事をしない・仕事の質が低い候補者を選ばないという傾向をはっきりさせれば、おのずと議員の質は上がり、費用対効果もあがるでしょう。現状の渋谷区議の中に質が低い議員がいるという意味ではなくて、一般論ですが、ひとつ検討をしていただきたいものです。


スマイルズの「自助論」によると、議員は住民のレベル以上にはならない、ということです。こんなこと書くと反発を覚える方もいらっしゃるかもしれませんが・・・


 

残りは後日に。


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